Suunto Ocean にはスキューバダイビング向けにダイブモードが 2 つ(単一ガス、マルチガス)とフリーダイブモードが 1 つ(フリーダイビング(深度))あります。ダイブモードは、メインメニューにあります。メインメニューは、時計文字盤を下にスワイプするか、上ボタンを押し中央ボタンでモードを選択することで表示できます。
Suunto Oceanには、圧力の上昇や水との接触を感知すると、自動でダイビングが開始される機能が搭載されています。以下の状態になると、プレダイブ画面またはその他のウォッチ画面からダイブ状態に入ります。
潜水終了時刻(初期設定は 5 分)が設定されており以下の状態になると、自動でダイブが終了となります。
ダイビング以外のウォッチ画面の状態から水に入った場合、Suunto Ocean は、最後に設定されたダイブモードに自動的に切り替わります。
潜水開始深度はダイブモードのダイビング設定やフリーダイブモードのダイブオプションから設定できます。
Suunto Oceanは、他のエクササイズビューの状態の場合、ダイブ状態に入りません。
ダイブ自動開始機能は予防機能です。常に選択したダイブモードから入り、ガスやダイビング設定を確認してからダイブを開始することを推奨しています。
Suunto Ocean にはダイブモードが 2 つとフリーダイブモードが 1 つあります。これらは特定のダイビングタイプに対応できるよう、あらかじめ設定されています。
単一ガス:
このダイブモードは、単一ガス(エアーまたはナイトロックス)を使用した、減圧不要なレクリエーション目的のダイビングに最適です。
マルチガス:
このダイブモードは、マルチガスを使用したテクニカルダイビングに最適です。
フリーダイブ:
このダイブモードは、レクリエーション目的のフリーダイビングに最適です。
Suunto Ocean には3つのボタンが搭載されています。ダイビング中にボタンを短く押す、または長押しすることで、さまざまな機能を操作できます。
上ボタンを短く押すと、ガスの切り替えメニューにアクセスできます(マルチガスモードのみ対応)
上ボタンを長押しすると、明るさレベルを調整できます(低 / 中 / 高)
中央ボタンを短く押すと、アーチが切り替わります
下ボタンを短く押すと、切り替えウィンドウに表示される情報が切り替わります
下ボタンを長押しすると、ボタンがロックされます
ボタンと画面ロックを参照してください。
プレダイブ画面は全ダイブモードで同じ仕様ですが、ダイビングのニーズに合わせて調整できる、各ダイブモードに特化したオプションがあります。
プレダイブ画面には、心拍数、Tank POD、GPS など、選択したダイブモードで使用している機能に応じてアイコンが表示されます。ディスプレイに表示される情報は以下のとおりです。
Tank POD アイコン(接続済み、かつ有効な場合)
GPS 信号(有効な場合)
心拍数(有効な場合)
バッテリーの残り時間
使用中の混合ガス
タンク圧(Tank POD に接続済み、かつ有効な場合)
使用中のガスに対し設定した最大酸素分圧の限界値(ppO2)
使用中のガスの最大許容深度(MOD)
使用中のダイブモード
GPS 信号:矢印のアイコン(コネクテッド GPS)は検出中の場合灰色に点滅し、いったん信号が検出されると緑色になります。GPS を正確に検出できるよう、GPS のアイコンが緑色になってから入水してください。
心拍数:心臓のアイコン(心拍数)は検出中の場合灰色に点滅します。いったん信号が検出されると、心拍センサーを使用している場合はベルト付き心臓のアイコンが色付きに、光学式心拍センサーを使用している場合にはベルトなしの心臓のアイコンが色付きになります。心拍センサーのペアリングは、ポッドとセンサーのペアリングを参照してください。
Tank POD:使用中のガスにペアリングされた Tank POD をお持ちで有効になっている場合、タンクのアイコンが左側に表示されます。
バッテリー:バッテリーアイコンにより、バッテリーがなくなるまでのダイビング可能時間が表示されます。
プレダイブ画面から上にスクロールすると、次の設定にアクセスできます。
ダイブモードの変更:
ダイブモード名をタップすると、別のダイブモードやその他のエクササイズモードに切り替えることができます。
ガス:
ガスからダイブガスの酸素濃度や ppO2 の設定を変更できます。ガスを参照してください。
アルゴリズム:
アルゴリズムの設定には、特定のダイブモードの減圧アルゴリズムを変更するオプションがあります。アルゴリズムの設定を参照してください。
アラーム:
特定の深度、潜水時間、タンク圧に達した場合のアラームを設定できます。ダイブ関連のアラームの詳細については、ダイブアラームを参照してください。
Tank POD:
Tank POD メニューでは、使用中のガスで利用可能な Tank POD の接続や接続解除ができます。Suunto Tank POD の取り付けと接続を参照してください。
センサー:
心拍センサーをペアリングするとダイビングを記録できます。ポッドとセンサーのペアリングを参照してください。
ダイビング設定:
ダイビング設定には、他にもダイブモード向けにさまざまな設定があります。利用できるオプションについては、ダイビング設定を参照してください。
プレダイブ画面の状態で中央ボタンを押すと、さまざまなダイブビューをスクロールできます。デフォルトのダイブディスプレイでは、次の情報が表示されます。
減圧情報
浮上速度(スピードにより色分けされている)
ダイブタイム
深度
切り替えウィンドウ(情報の切り替えが可能)
アーチ(減圧不要限界やタンク圧、水面までの浮上時間、停止時間など重要な情報を示す)
ダイビング中は、次の情報がウォッチの画面に表示されます。
画面上の減圧情報が表示されるエリアは固定されており、以下のデータが以下の場面で表示されます。
水面休息時間:水面にいる場合、減圧情報が表示されるエリアには水面休息時間のタイマーが表示されます。ダイビングが終了し水面に浮上した時間から次のダイビングで潜降を開始した時間までの経過時間が表示されます。経過時間は、1 時間までは分・秒単位で表示されます。1 時間を超える場合、24 時間までは時間・分単位で表示されます。その後 7 日間までは時間で表示され、それ以降は日表示のみになります。
減圧不要限界(NDL):ダイビングを開始すると、水面休息時間のタイマーの表示場所に NDL 時間が表示されます。現在の深度における、減圧停止が必須になるまでの残り時間が分単位で表示されます。NDL 時間が 99 分を超える場合、「>99」と表示されます。NDL 時間が 5 分以下の場合、強制アラームが発動します。NDL 時間が 5 分を超えるか、減圧情報が表示されるまで、NDL 時間の表示場所が強調されます。強制アラームに関する詳細については、強制ダイブアラームを参照してください。
減圧時間:NDL 時間を超過した場合、アラームが発動し、NDL 時間の表示場所に最適な浮上時間(TTS)が分単位で表示されます。Decoバッジが表示され、NDL アーチがオレンジ色に変わり同じ TTS 時間を表示します。切り替えウィンドウにはシーリング深度の値が表示されます。シーリング深度の値は、減圧停止を実施する深度を指しています。また、アラームが作動します。アラームはいずれかのボタンを押すことで解除できます。減圧潜水に関する詳細については、減圧潜水を参照してください。
停止時間:ダイビング中に安全停止または減圧停止が必要になった場合、NDL または減圧情報の表示場所に停止タイマーが表示され、必須停止時間が分・秒単位でカウントダウンされます。停止深度の範囲が深度の表示場所に表示されます。停止が完了すると、「停止完了」が切り替えウィンドウに表示されます。安全停止時間は、アルゴリズム設定で 3 分、4 分、または 5 分に調整することができます(初期設定は 3 分)。
ダイビング中、画面中央のバーが浮上速度を表示します。バーのひと区切りは毎分 2 m(6.6 ft)に相当します。
バーは以下のように色分けされています。
グレー:浮上速度が毎分 2 m(6.6 ft)未満
緑:浮上速度が毎分 4 m(13 ft)~ 8 m(26 ft)
黄色:浮上速度が毎分 8 m(26 ft)超
赤:浮上速度が毎分 10 m(33 ft)
赤(強調表示):浮上速度が 5 秒以上、毎分 10 m(33 ft)超
最大浮上速度を超えるダイビングはしないでください。急速な浮上は負傷する危険を増加させます。最大浮上速度を超過したときには、強制安全停止および推奨安全停止を必ず実施してください。
Suunto Oceanでは、単一ガスモードとマルチガスモードの両方でさまざまなアーチが表示されます。
減圧不要限界時間:アーチに減圧不要限界時間が表示されます(固定範囲:0 ~ 99)5 ~ 99 までは緑色で表示され、0 ~ 5 の場合オレンジ色で表示されます。減圧不要限界時間の値が 99 を超える場合でも、インジケータは 99 で停止します。
タンク圧:ウォッチが Suunto Tank POD にペアリング済みの場合、アーチにタンク圧が表示されます。範囲は Tank POD が読み取ったダイビング開始時のタンク圧によって判断され、250 bar または 350 bar となります。アーチ上の bar は単位設定に応じて 50 bar または 500 psi で表示されます。各色は特定の範囲を示しており、以下のように常に固定されています。
赤:50 bar / 750 psi 以下
オレンジ:51 ~ 80 bar / 750 ~ 1,000 psi
Tank POD がペアリングされていない、または信号が失われた場合、アーチはグレーになります。Tank POD の接続方法については、Suunto Tank POD の取り付けと接続を参照してください。
コンパス:アーチに磁北(赤色の矢印)をふくむ、4 方位が表示されます。ダイビング中のコンパスの使用を参照してください。
*なし:ダイブビューがアーチなしで表示されます。
また、2 種類の変動型アーチがあります。
停止タイマー:停止が必要な場合、アーチにはダイブビューウィンドウに応じた値が表示されます。
TTS:NDL 時間を超過した場合、アーチはオレンジ色に変化し水面までの浮上時間(TTS)が表示されます。TTS のアーチの固定範囲は 0 ~ 50 分です。値が 50 分を超える場合でも、インジケータは 50 分で停止します。
中央ボタンを押して、アーチ間をスクロールします。
ダイブ画面の下にある切り替えウィンドウには、さまざまな種類の情報が表示できます。下ボタンを短く押すと、表示される情報が切り替わります。
切り替えウィンドウ | 切り替えウィンドウの内容 | 説明 |
---|---|---|
![]() | 気温 | 現在の水温が、単位設定に応じて摂氏または華氏で表示されます。 |
![]() | 最大深度 | 現在のダイブ中に到達した最大深度が表示されます。 |
![]() | クロック | 時間/日付で設定した時刻表示に基づいて、時刻が 12 時間形式または 24 時間形式で表示されます。 |
![]() | バッテリー | バッテリー充電レベルがパーセンテージで表示されます。バッテリーのアラームについては、強制ダイブアラームを参照してください。 |
![]() | タンク圧 | Tank POD に接続している場合、使用中のガスのタンク圧が設定した単位(bar または psi)で表示されます。 |
![]() | ガス消費量 (L/分またはcu ft/分) | ガス消費量は、ダイブ中のリアルタイムのガス消費量を示しています。実際のガス消費量は、リットル毎分(立方フィート毎分)単位で計測され、現在の深度に対して計算されます。詳細については、ガス消費を参照してください。 |
![]() | ガスタイム | ガスタイムは現在の深度に滞在できる時間を示しています。詳細については、ガスタイムを参照してください。 |
![]() | 安全停止 | 10 m(33 ft)以上のダイブでは、3 分間の安全停止が常に推奨されています。10 m(33 ft)を超えると、切り替えウィンドウに最低深度 3 m(9.8 ft)の安全停止が表示されます。 安全停止時間は、アルゴリズムの設定で 3 分、4 分、または 5 分に設定できます。 |
![]() | 水面までの浮上時間(TTS) | 水面までの浮上時間は、使用中のガスで水面に浮上するまでの時間を分単位で示しています。これには必要な減圧停止がすべて含まれています。 |
![]() | 実際のppO2 | 使用中のガスの現在の酸素分圧が表示されます。酸素分圧とは、現在の深度でのガスに含まれる酸素の割合を指しています。値は常に絶対気圧(ATA)で表示されます。(1 ATA = 1.013 bar) ppO2 がガスのプリセット限界値を超えると、切り替えウィンドウが黄色になりアラームが作動します。ppO2 が最大酸素分圧の限界値である 1.6 を超えると、MOD よりも浅い深度に浮上するまで切り替えウィンドウが赤色になります。 |
![]() | MOD | 最大許容深度が表示されます。MOD とは、使用中の混合ガスの酸素分圧(ppO2)が安全限度を超える深度のことを指しています。 |
![]() | 平均深度 | 進行中のダイブの平均深度は、開始深度を超えた瞬間からダイブ終了まで計算されます。 |
![]() | 日没時間 | 日没までの推定時間が時間・分単位で表示されます。日没時間は GPS によって判断されるため、ウォッチは GPS を最後に使用したときの GPS データをもとに計算します。 |
![]() | グラディエントファクター | アルゴリズムで設定したグラディエントファクターの値が表示されます。ダイブアルゴリズムとグラディエントファクターに関する詳細については、アルゴリズムの設定とグラディエントファクターを参照してください。 |
![]() | 進行方向 | コンパス機能は進行方向を度数で示し、方位と内部方位を示します。コンパスは使用中に自動で較正されますが、較正が必要な場合は、メッセージがポップアップ表示されます。コンパスを較正するには、図 8 のように、ウォッチを回して、傾けます。 |
切り替えウィンドウにデフォルトで表示される値があります。これらの値は、アラームが作動するかイベントが発生した場合のみウィンドウに表示されます。
OTU
酸素耐性ユニット。長時間にわたり高い酸素分圧へ曝露することで発生する、体全体の毒性を計るために使われます。Suunto Ocean では、1 日あたりの推奨限界量が 250 に達した場合は「注意」、300 に達した場合は「警告」のアラームが作動します。
CNS
中枢神経系毒性。CNS の値は、高い酸素分圧(ppO2)に曝露されていた時間を測定したもので、最大許容曝露量に対する割合として表示されます。Suunto Ocean では、CNS% が 80% に達した場合は「注意」、100% に達した場合は「警告」のアラームが作動します。
酸素曝露の計算は、現在採用されている曝露限度時間テーブルおよび原則に基づいています。限界値は、NOAA ダイビングユーザーガイドに基づいています。CNS の割合はダイブモードに設定してある場合、水面にいる場合でも継続的に計算されます。
これに加え、ダイブコンピュータは酸素曝露を保守的に推定するための手法を複数使用しています。以下に例を挙げます。
酸素曝露の計算値は、次に高いパーセンテージ値に切り上げられて表示されます。
CNS% の限界値は最大 1.6 bar(23.2 psi)までです。
OTU のモニタリングは、長期間にわたる 1 日あたりの耐性レベルを基礎にしており、回復率は減速されています。
水面にいる場合やダイブ終了後、90 分経過するごとに CNS は半減します。例えば、ダイブ後 CNS が 100 であった場合、90 分経過すると 50 にまで減少します。さらに 90 分後 25 になります。
酸素曝露量が最大限界値に到達したと表示された場合、ただちに酸素曝露を減らすための措置を講じる必要があります。CNS% / OTUの警告があった後、酸素暴露を減らすための措置を取らなかった場合、酸素中毒、負傷、死亡事故のリスクが急激に増加します。
シーリング
減圧停止が強制の場合、シーリング深度の値が切り替えウィンドウに表示されます。Suunto Ocean では、最も深い地点からのシーリング深度の値を常に表示します。浮上中、表示されたシーリング深度の値より浅い深度まで浮上しないでください。減圧潜水に関する詳細については、減圧潜水を参照してください。