減圧プロファイルは、 ダイビング設定 » パラメータ » 減圧設定で選択することができます。
これまで、ホールデンが 1908 年に作成したテーブル以降、減圧停止は 15m、12m、9m、6m、3m のように固定されたステップで配置されてきました。この実用的な方法はダイブコンピュータが生まれる前に導入されたものです。しかしながら、ダイバーが浮上するとき、実際にはより細かなステップで減圧を行い、スムーズな減圧曲線を描くことになります。
マイクロプロセッサの発展に伴い、Suunto は実際の減圧行動をより正確にモデル化できるようになりました。連続的な減圧曲線は Suunto Fused™ RGBM 2 の作業仮説に取り入れられています。
減圧停止を伴う浮上中、Suunto ダイブコンピュータはコントロールコンパートメントが周囲圧の線と交わる点(つまり組織の圧力が周囲圧より高くなる点)を計算します。ここからガス解放が始まります。これを減圧フロアーと呼びます。このフロアー深度より上、シーリング深度より下が「減圧ゾーン」です。減圧ゾーンの幅は、ダイブプロファイルによってさまざまです。
フロアー近傍では、外側の勾配が小さいため、最も速い組織でのガス解放は遅くなります。それより遅い組織では、まだガス溶解が続いている可能性があり、ここで十分な時間が経過すると減圧義務が増加して、シーリングが下がってフロアーが上がる可能性があります。
Suunto RGBM は、遅い浮上速度と連続的な減圧曲線を組み合わせることでこれら 2 つの相反する問題を最適化します。すべては、浮上中に膨張するガスを適切にコントロールすることに尽きます。すべての Suunto RGBM で最大浮上速度を毎分 10m としているのはこのためであり、長年をかけて効果的な防御措置であることが実証されています。
減圧フロアーは、RGBM が気泡の圧縮を最大化しようとするポイントであり、減圧「シーリング」は、ガス解放を最大化するポイントです。
減圧シーリングとフロアーを用いる利点には、この他に、荒れた海では減圧を最適に行う深度を正確に維持するのが難しいという事実を考慮できる点があります。深度をシーリングより下、フロアーより上に保つことで、ダイバーはたとえ最適な減圧より遅いとしても、減圧を続けることができます。また、バッファーが余分にあるため、ダイバーが波の力でシーリングより上に引き上げられてしまう危険を最小化できます。さらに、Suunto の用いる連続的な減圧曲線は、従来の「ステップ」式の減圧よりもスムーズで自然な減圧プロファイルを形成します。
Suunto EON Core は、減圧シーリングと減圧フロアーの両方を表示する独特の機能を備えています。「フロアー」より下にいる間、つまり、ガス溶解が続く間は、上向き矢印が表示されます。フロアーより上に浮上すると、速い組織でガス解放が始まり、上向き矢印が表示されます。減圧を最適に行えるシーリングゾーンでは、上向き矢印と下向き矢印の両方が表示されます。シーリング深度を超えると、下向き矢印が表示され、アラーム音が鳴り、シーリングゾーンまで戻るようダイバーに注意します。
この減圧プロファイルでは、通常の 3 m(10 ft)ごとのステップまたはステージに分けて段階的な浮上を行います。このモデルでは、ダイバーは従来の固定深度で減圧を行います。
減圧プロファイルの選択は、ファームウェアバージョン 2.0 以降で利用可能です。